建築写真に対する考え方

設計意図を、正確に伝えるために

建築写真は「記録」ではなく、設計意図を伝えるためのメディアです

建築写真・竣工写真は、
完成した建築を残すための記録であると同時に、
設計意図や空間の質を、第三者に伝えるためのメディアです。

図面や模型、説明文だけでは伝わりきらない
素材感、光の入り方、空間同士の関係性。
それらを視覚的に翻訳する役割を担うのが、建築写真です。

だからこそ、
写真の質によって、建築の印象は大きく変わります。

一枚の写真が、建築の印象を決定づける理由

建築に触れる最初の接点は、
多くの場合「写真」です。

  • ホームページ

  • プレゼンテーション資料

  • コンペ資料

  • 雑誌・Webメディア

人はまず視覚情報によって全体像を把握し、
その後に文章や説明を読み解きます。

※補足
認知心理学や視覚認知の分野では、
人が意思決定を行う際、視覚情報が初期判断に大きな影響を与えることが
繰り返し指摘されています。
建築写真は、その最初の判断を担う存在です。

設計意図は、写真によって簡単に歪んでしまいます

実際の現場では、次のようなことが起こりがちです。

  • 実物よりも暗く、重たい印象に写る

  • 素材の色が意図と異なって見える

  • 室内と外部の関係性が分断される

  • 空間の広がりや構造が読み取れない

これらの多くは、
建築そのものの問題ではありません。

写真における

  • 判断

  • 整理

  • 仕上げ

によって生じている問題です。

カメラの性能では、建築写真の質は決まりません

高性能なカメラやレンズが一般化し、
誰でも高解像度の写真を撮れる時代になりました。

しかし、
建築写真の完成度を分けるのは機材ではありません。

重要なのは、

  • 光をどう整理するか

  • 素材ごとの色をどう判断するか

  • どの関係性を画面に残すか

建築を理解した上での
判断の積み重ねです。

建築写真で最も重要なのは「判断」です

建築写真では、
すべてを写すことはできません。

だからこそ、

  • 何を省くか

  • 何を残すか

その判断が、写真の質を決定づけます。

この判断は、
マニュアルや数値だけでは身につきません。

設計・施工のプロセスを理解し、
数多くの建築と向き合ってきた経験によって
はじめて精度を持つものです。

決定的に違うのは、写真の「色」

建築において、
色と素材感は空間の質を左右する重要な要素です。

しかし写真では、

  • 照明の色温度

  • 外光と人工照明の混在

  • カメラ任せのホワイトバランス

によって、
実際とは異なる色として記録されてしまうことが少なくありません。

fusephoto.net では、
RAWデータを前提とした現像工程を通じて、

  • 素材本来の色

  • 空間全体の色の整合

  • 室内外の自然な露出バランス

を丁寧に整えています。

色は演出ではなく、
建築を正しく伝えるための言語だと考えています。

建築を理解しているかどうかは、写真に必ず表れます

建築を理解せずに撮影された写真では、

  • アプローチが省略される

  • 構造や納まりが読み取れない

  • 空間同士の関係性が途切れる

といったことが起こりがちです。

一方で、建築を理解していれば、

  • なぜこの位置から撮るのか

  • なぜこの高さなのか

  • なぜこの時間帯なのか

すべてに理由があります。

写真は、
撮影者がどのように建築を理解しているかを
そのまま映し出します。

設計・撮影・空撮を横断する立場から

fusephoto.net は、
建築写真家であると同時に、一級建築士として
設計・施工の現場に携わってきました。

また、

  • 二等無人航空機操縦士(国家ライセンス)

  • 第三級陸上特殊無線技士

  • 第四級アマチュア無線技士

といった資格を保有し、
法規・通信・安全性を前提とした
ドローン空撮・建築空撮にも対応しています。

建築を理解し、
地上と空中の両方から空間を捉える。
その立場から、建築の全体像が伝わる写真・映像を構成しています。

竣工写真は、建築会社の「資産」になります

質の高い建築写真は、

  • ホームページ

  • プレゼンテーション

  • コンペ

  • 広報・記録

長期にわたって使用できる
建築会社の資産になります。

※補足
企業広報やプレゼンテーション研究の分野では、
高品質なビジュアル資料が
説明負荷を下げ、理解を助けることが示されています。

一度きちんと撮影された写真は、
時間が経っても価値を失いません。

fusephoto.net が大切にしていること

fusephoto.net が最も大切にしているのは、

  • 設計意図を誤解させないこと

  • 建築の価値を過不足なく伝えること

  • 写真が建築の評価を左右しないこと

派手さや演出よりも、
正確さと整合性を優先します。

それが、
建築写真における最も誠実な姿勢だと考えています。

撮影のご相談について

撮影内容や規模、用途に応じて、
最適な撮影方法・プランをご提案します。

ご相談・お見積りは無料です。
撮影中は電話に出られないことが多いため、
メールフォームからのご連絡をおすすめしています。

撮影内容や規模によって条件は異なりますが、
多くの案件で、設計事務所・建設会社の皆様が
無理なく継続してご依頼いただける範囲でご提案しています。

建築の価値を、正しく伝えるために

建築は、
丁寧に設計され、丁寧に造られています。

その価値が、
写真によって正しく伝わること。

それが、
fusephoto.net が建築写真に求めている役割です。

設計者の視点で撮影する理由