ローイーは人に優しく写真には冷たい。

ローイーは人に優しく写真には冷たい。

あなたは Low-Eガラスを知っていますか?

もちろん建築を生業とされている方はご存知のはずです。

Low-Eガラスは、金属の薄い膜(Low-E膜)
をガラスに施してあるので、
断熱性能が高く、多くの住宅用サッシに使われています。

環境性能が高く人に優しい、この優れたガラスは、
写真には悪影響を及ぼしています。

外からの太陽光が、このLow-Eガラスを通して
室内に入った光は、Low-E膜のせいで光が緑色になってしまいます。

窓からの緑っぽい光が、白い壁を緑がかった感じにしています。
天井のスポットライトからの光が飾り棚を照らしているのですが、
この緑っぽい光が、すべてを台無しにしてしまうのです。


Low-Eガラスは、人に優しく写真家には冷たいのです

下の写真は、撮影して何もしない最初の状態です。

室内を明るく写そうとすると、
窓の外の景色が白トビするので、
窓の外に露出を合わせて撮影します。

撮影して何もしない状態。室内を明るく写そうとすると、窓の外が白トビするので、窓の外に露出を合わせます。

この写真を自動補正すると
下のような状態になります。

自動補正をかけた状態。自動補正をかけると、室内を明るく調整しようとして、外の景色が白トビします。窓からの緑味がかった光が、白い壁を緑っぽくしてしまいます。天井からのスポットライトの色とブレンドされて本来の壁の色が出ていません。

窓からの光が当たっている部分の壁は、
緑味がかっています。

天井からのスポットライトの色が
緑味がかった壁に当たってよどんだ色になっている。

その他、ガラスの影響ではありませんが、
外の景色は白トビしてよく分からない。

奥の部屋は、本当は照明で柔らかく照らされているのに
暗くなってしまっている。

自動補正だけで、理想的な写真に仕上げることは
難しいのです。

ローイーの光は素材の色を分からなくする

この状態から、
窓際の緑がかっている白い壁を調整し、
天井スポットによる光の色を調整し、
奥の部屋の照明の色を調整し、
窓の外の景色を調整し、
床が緑味がかっている部分を調整し、
その他、細かい部分を調整し、

ようやく完成となったのが
下の写真です。

部分的な補正をかけて、理想の色に近づけて行きます。

このように、写真を仕上げるのは、
Low-Eのおかげでとても手間がかかってしまいます。

この窓からの緑味がかった光。
なんとかならないものでしょうか。

でも、

当分なんともならないと思っています。。。

 

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